【2021年6月26日】八甲田山

 2021年6月26日(土)、天気予報で晴れが続いているので登りに向かう。

 青森市に数年住んでいながら眺めているだけだった山。八甲田ゴールドラインのドライブを通し登りたい欲求が高まっていた。

 前日の予報では三八上北で濃霧警報となっており、早朝走った国道7号では東能代二ツ井辺りからかなりの濃霧となっていた。2019年に岩手山を登った時は盛岡市内でかなりの濃霧に見舞われたが、登山口につく頃にはスッキリとした快晴だった経験から不安はなく期待感すらあった。

 国道7号を北上し454号→102号→394号と進み濃霧を抜けたのは碇ヶ関ICを過ぎた頃だった。このルートで登山口である酸ヶ湯公共駐車場に向かったのは虹の湖・浅瀬石川ダム・城ヶ倉大橋を一気に見てみたかったからだ。今回は素通りのみとなってしまったが秋頃にドライブしたくなったら再度訪れたいエリアに思う。ちなみに国道454号はそれほど険しくもなく冬場でなければ運転でそこまで疲労はしなそうであった。城ヶ倉大橋で写真を撮り先へ進む。

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 7時丁度に酸ヶ湯公共駐車場に到着。既に7割程埋まっており結構の数の登山者が装備の確認や登山口に歩き始めていた。ナンバーは殆ど青森や八戸や秋田で岩手のものは数台しか見なかった。しかし天気の悪い日でも埋まっている時は埋まっているようなので酸ヶ湯温泉利用者もこちらに停めているだけなのかもしれない。

 反時計周りの酸ヶ湯温泉コースがメジャーなようなので自分もこちらで進む、ごろごろとした岩と根の張る道であった。すぐに木々の枯れ果てた一帯を見たがこれは硫化水素の噴気でああなったそうで、奥にはガスの溜まりやすい地形の箇所もあり死亡事故もあったようだ。途中、南八甲田の方角から延々と熊よけの音声が流れていたのが気になった、安全のためとはいえなかなか雰囲気を壊していたが他の人はどう思っているんだろうか…。更に進むと30分程で地獄湯の沢と呼ばれる景色の良い場所に出た。ここも時折硫黄臭がし未だ活動を続ける火山であることを教えてくれる。ここのような岩場は個人的に好みな道なのだが割とすぐに終わってしまったのは残念だった。

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 仙人岱の八甲田清水では登山道整備に来ていた方達からお話を伺った。八甲田清水は周囲を人々に踏み鳴らされかつての勢いを失ってしまったそうだ、これは登山客のせいではなく管理に入っている自分達が登山客の立ち入らない箇所にも入って行く事の影響が大きいと語っていた。湿原が踏み荒らされるのもなんでもかんでも登山客のせいではないじゃないよと笑いながらに話していたのが印象に残っている。

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 その先はいよいよ大岳への道だがまだ6月ということもあり雪渓は広い範囲に残っていた。こちらは軽アイゼンが必要な程ではなかったが、反対の大岳避難小屋側の雪渓は短いながら急であり、向こう側から登る人はアイゼンとストックは必要なように感じた。山頂まではややがれ場だが景色もよくお花や沼もあり飽きない。1時間40分程で山頂に到着。青森市に住んでいた頃よく眺めていた山頂にいるのだなあと感慨にふける、当時何故こんな近くにあった山に登ろうと思わなかったのか不思議でならない…。

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 別の景色も見るために赤倉岳までピストンすることにした。八甲田連峰は18の火口があるようだがこちらの井戸岳も大岳ぐらい大きな火口だが噴気活動は止まっているのか緑が生い茂っていた。浅虫方面は丁度出てきた雲に遮られてしまったが青森市街はよく見ることができた。大岳避難小屋で昼食、そう多くはない雪渓でスキーを楽しむ人もいた。大岳~避難小屋の急な雪渓を下る登山者を眺めている人が多く毎年恒例なのだろうと思った。

 酸ヶ湯温泉までの下山には毛無岱を通る。この時期はやや退屈に思えたがのんびり歩くには丁度良いものの真夏に歩くのはしんどそうな気もした。下毛無ではブヨが発生しておりノーガードな手首を噛まれた、酸ヶ湯温泉公共駐車場では足首を噛まれたので短パン半袖な方は対策はするべきだろう。

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 気温はやや高めの予報であったが薄っすら出た雲とそよ風もあり気持ちの良い登山となった。土曜の好天の100名山なだけあり登山客も多くこの素晴らしい山を共有でき非常に満足することが出来た。秋や冬にも是非訪れたい山の候補だ。

 下山後は酸ヶ湯温泉で汗を流した。ヒバ千人風呂の混浴へ…と思ったが独身男性ひとりで行くのも下心が透けて見えそうだし、度胸もないので男性用の浴場へと向かう。こじんまりとして広くはないのだがこちらもそれなりに風情ある造りで悪くはなかった。アイスを食べてクールダウンしたのち青森市内の懐かしのラーメン屋に向かう。

 青森市内の交通量はかなり多い気がするがどうなんだろうか。信号に何度も捕まりながら目当ての煮干しラーメンの店に向かうがなんと2階建て焼き肉店になってしまっていた。焼き肉の気分ではなかったので側にあったラーメン屋で済ませた。煮干しの濃さを謳っていたが自分にはあまり刺さらない味であったのが残念だ。ところでお目当てにしていたラーメン屋の名前が思い出せない。2018年にも訪れていたし、青森市に住んでいた頃もしょっちゅう食べていたはずなのだが…。

 16時過ぎにスーパーで帰りの運転中の食料を調達し秋田の家へと出発する。国道7号線は暗くなると本当に車が少ない。やや寂しさを感じながら帰路についた。