雪山2年目、深雪となった烏帽子岳(乳頭山)を新しく揃えたウェア・ギアとカメラを持って歩いた。今回は道具選び時点で考えた事と実際に使用しての感想を書き残しておく。
雪山1年目に買い揃えたウェア・ギアや考察はこちら。
以下、本編
- mont-bell - ライトアルパインパンツ
- mont-bell - トレールアクションニーロングパンツ
- mont-bell - ジオラインL.W.ソックス
- mont-bell - ジオラインクールメッシュトランクス
- Foxfire - パワーストレッチフィンガースルーグラブ
- Mountain Hardwear - スクランブラー35
- PETZL - グレイシャー 60cm
- PaaGo WORKS - フォーカスL
- LACKNER - ラックナーグラブ
- ISUKA - ウェザーテックオーバーグローブL
mont-bell - ライトアルパインパンツ
買い替え理由…
雪山では同ブランドの雨具レインダンサーパンツを使用していた。風雪を防ぐという点では問題なかったが、ゲイターを着けると太腿の生地余りが致命的にダサい。ポケットやベンチレーションがないのも気になっていた。
選んだ理由…
mont-bellには3種類ほど保温材無しのハードシェル系パンツがある。上級モデルのアルパインパンツは生地が丈夫で重く、廉価モデルのドライテックライトアルパインフルジップパンツはサイドが全開でき安い。どちらを選んでも使えそうに思ったが前者は無駄なポケットや重量、後者はフルジップ破損時のリカバリーとインナースパッツの有無等を考慮して択から外した。
間を取り、新作となるライトアルパインパンツを選んだ。
実際に使用して…
インナースパッツに期待していたが試着段階での予想通りゲイター無しではやはり雪は少しずつソックスに付着してくる。インナースパッツはバンドで固定しても足上げで靴のハイカットより上がってしまう。というか雪山でゲイター無しはかなり環境を選ぶ気がしてきた。スノーシューオンリー登山ならレインスパッツをインナースパッツに重ねるのも有りかもしれない。
サイズ選びも大分迷ってL-Sにしたが正直mont-bellのサイズ感は自分に合っていないのでここは妥協。やはりLだと腰回り・太腿・股下・丈が大きめでMだと遊びがなく快適でない。
洗濯後の乾きは保水する部分もなく良好。雨具のレインダンサー上下よりも保水していない。
(1月22日追記)
転倒で膝を地面に擦ったところ1発で破けた。30デニールという薄さは負荷のかかり方ではどこも破けそうだと思うとオーバーパンツとしてはかなり貧弱。購入時点でデニール数が一番小さいのは危惧していたが、まさかここまで弱いとは…。軽量なのはたしかに利点だがこれじゃ安心して任せられないと思う。上位のアルパインパンツ70デニールは+1100円で購入できるので、間違いなくそちらを選んだほうがいい。
ライトアルパインパンツの購入は個人的に大失敗。これはかなり緩いスノーハイク向け。
mont-bell - トレールアクションニーロングパンツ
購入理由…
極厚ソックス+中圧フルレングスパンツ+レインパンツ+冬用ゲイターの組み合わせで脛の蒸れが気になっていたので軽減するために膝丈のパンツを探していた。
実際に使用して…
かなり良好。裾のダブつきが不安だったが足上げなどしても一切気にならず。保温性能も筋肉量の多い太腿にはちょうどよくオーバーヒートもしない。Lサイズではウェストがやや余るので腰紐を〆るのだけが面倒、一応フロントジッパー有のため不便とまではいかない。
オーバーパンツを脱いだ姿がダサいとはいえ、快適度が大幅向上し自分の冬山ウェアの組み合わせに必須なパンツ。
mont-bell - ジオラインL.W.ソックス
購入理由…
冬用ソックスにSmartWool厚手ソックスを使用していたが、インナーソックス着用でどう変わるのか確かめたかった。
実際に使用して…
かなり良好。厚手ソックスだけでは足が内部でややずれる感じがあったがインナーソックスを履いた事でフィット感がジャストになった。蒸れ感もなくなった。下山後に厚手ソックスを脱いでもインナーソックスはドライな状態で驚異的な恩恵がある。
SmartWool厚手ソックスの価値をも引き上げ、自分の冬期フットウェアに必須なインナーソックスに感じた。
mont-bell - ジオラインクールメッシュトランクス
買い替え理由…
UNIQLOエアリズムボクサーパンツの圧迫感と保水する感じが気になりだした。
選んだ理由…
アンダーウェアは多くのブランドが出しているがクールメッシュの性能を試してみたかった。ジオラインシェイプパンツと言う商品をサイズが合わず廃棄しているので、mont-bellのサイズ感把握も兼ねてmont-bell商品から選択。
実際に使用して…
これは夏頃から使用している。初めの頃は丈が捲くり上がるのが気になる不安もあったが現在は着ている事すら感じない。ただ他ブランドでも良い物はありそうに思う。下着は試着できないのでサイズ選びが難しくあまり挑戦する気にならない。
Foxfire - パワーストレッチフィンガースルーグラブ
購入理由…
スマホ操作にタッチペンが嫌だったので指先を捲れるものを使いたかった。またフリース地のグローブを試したかった。
実際に使用して…
登りでは流石に汗ばむ、フリース生地の濡れ感は嫌らしいのですぐにウィックロンZEOサーマルグローブに付け替えてしまった。歩きはじめて1回目の休憩ぐらいまでの間しか使用できない気がする。指ぬき機能はまだ評価に迷っている。
正直これは通勤や軽い雪かきなど日常使いの方が活躍している気がする。山歩き向きではなかったかも。
Mountain Hardwear - スクランブラー35
選んだ理由…
雪山&小屋泊に使える35~40Lの機能的かつ洗いやすいザックを探していた。白灰系のカラー、サイドポケット有り、ロールトップではない、自分流にアレンジ可能…といった条件に当て嵌まるものがこれしかなかった。同ブランドのスノースキーウォースキー 40も良さ気だったがよりシンプルなこちらにした。
デザイン優先でいけばRabのKhroma38やガレージブランドのザックなども候補にあったが、実際に背負ってみないと買う気になれないので選択肢は限られていた。
実際に使用して…
しっかり試着時点で悩んだので背負心地や細部に不満はなく良好。ウェストベルトやショルダーを覆う生地がやや弱そうなのと、白系なので土や枝などに擦った際の汚れが今後どうなるかと言ったところ。容量35Lは日帰り雪山に丁度いいサイズに感じた。
ショルダーと背面の高密度フォームは保水せず乾きも速いので洗いやすい用に思う。様々な部分を取り外してスッキリした見た目に出来るので弄り甲斐もある。
PETZL - グレイシャー 60cm
選んだ理由…
秋田および東北でピッケルをメインに使う山はほぼ無いと言えるそうだ。厳冬期2000m超えはアイゼンピッケルの刃が刺さらない状況もあると聞くが、そのレベルに行くのまだ先だろう。専ら滑落への備えとして持つような状態ならば難しく考える事もないように思った。
よって大手で承認済みのシャフトはストレートの軽量。デザインはモチベに直結するが下手に黒や橙だと傷の色落ちが気になって嫌になりそうなのでシルバー一択。なので12本アイゼンと同じPETZLのグレイシャーにした。長さは邪魔にならないよう60cm。
実際に使用して…
未使用。
表面のアルマイト加工やグリップの溝など外観に不満はない。携行しやすいようにスリングで自作の延長リーシュをハンドリーシュに繋げたいと思っている。まあ上述の通りピッケルを持つシーンは限られそうだから取り敢えず実際に使うまでこれは保留。
PaaGo WORKS - フォーカスL
購入理由…
肩がけはブラブラして嫌、PeakDesignキャプチャーをよく目にするがそもそも丸出しで歩く気にならない。カメラバッグも検討するのが面倒なのでサイズだけ確認してこれを購入。
実際に使用して…
登山以外でも使用していたが機能的には問題ないと思った。ただスマホ撮りに慣れているのでカメラを取り出す動作を繰り返すのは面倒。止水ジップのためやや滑りが悪く開けづらい時もある。
カメラ保護がメインなので使わなくなることはないが、保護しつつの軽快な携行方法は他にあるように思う。カメラを肩がけしてカメラ本体だけを包む…とか。
LACKNER - ラックナーグラブ
購入理由…
インナー取り外しを可能なBDソロイストグローブやmont-bell2in1 アルパイングローブなど、薄手インナーグローブの上に着用すると僅かな窮屈さがあり使用できないなと感じていた。なので、3レイヤー状態を作るために去年購入を見送りしたラックナーグラブを購入。そもそも、ソロイストなどはオーバースペック感はあったので自分はこのスタイルのレイヤリングが合っていると思う。
実際に使用して…
未使用。家で3枚重ねて装備した状態で不満はなし。
ISUKA - ウェザーテックオーバーグローブL
購入理由…
上述の通り3レイヤー状態を作るためのオーバーグローブとして購入。防水生地として販売されており肘近くまで覆えるのでラッセルにも期待できる。指回りのフィット感がよく操作性も悪くないように思う。ただ耐久力は低そうなので岩に擦ったりアイゼンに引っ掛けたら致命的な傷になりそうではる。
テムレス05overshellはサイズ感が良くないので2レイヤーまでしか使えないと思っている。また他ブランドのオーバーグローブを比較検討するのは面倒なので辞めた。できれば黒色じゃないものが欲しかったものだが。
実際に使用して…
未使用。
家で3枚重ねて装備した状態で不満はなし。かなりコンパクトになるので邪魔にならない。
雪山2年目に揃えた道具は以上である。ミラーレスカメラについては長くなりそうなので別の機会にする。
まだハードシェル・保温材入り登山靴・停滞時用ダウン・ツェルト・アバランチギア3種・山岳保険etc…が無い。いずれ揃えるが今シーズンも晴れの日帰りかつ危険でない山しか歩かないつもりなので見送り。
ラッセルでトレールアクションジャケットが結構保水したのでミドルレイヤーの替えが必要と思い始めている。まだ所持していないアクティブインサレーションなど試してみたい。