2022年6月9日(木)、曇り、風なし。
予報で晴れとなる9時過ぎに黒石沢登山口に到着、層積雲は多いが青空も見えており悪くなさそうだ。背後にある1台を加え10台も車が停まっている、すぐ気付く人もいるかもしれないが半数以上は山菜取りなのだ…(知るのは山頂に着いてから)。
駐車場から少し進むと登山口の道標。直前に山菜採り用の脇道もあった。
登山道の序盤は乾きづらそうなぬかるみが目立つ、小沢には滑りやすい岩。
渡った先は新道・旧道の分岐があり、自分は参考にしている「秋田県の山」(山と渓谷社、2018年)と同じ右の旧道から進むことにした。
木道を進むとすぐに視界が開き田苗代湿原が現れる。正面の山が藤里駒ヶ岳のようで意外と近い。鮮やかなピンク色をしたショウジョウバカマ、シラネアオイがまばらに咲いていた。ミズバショウは既に白い花弁を落としている。
この時期は湿原を抜けた先で様々な花が咲いていた。
左から1枚目はミヤマカタバミ。ニリンソウ(葉が違う)、ウメバチソウ(開花時期と雄しべ雌しべが違う)…と調べているうちようやく辿り着く。難しすぎるよ。
続いて白いキクザキイチゲ、エンレイソウ(延齢草)。最後はユキザサ、葉の形からマイヅルソウではないと思う。
小さな沢辺りは残雪で道がやや不明瞭(写真は振り返って)。その先も雪が残っていたが特に問題なし。道標では左に曲がる、右方向はロープで封鎖されていた。
他にも印象に残ったものは多い。
1枚目はヤマタイミンガサであっているだろうか。宮城以南に生えているらしく自信はない、しかしモミジガサではないだろうし…。
他はオオカメノキ、薄紫のキクザキイチゲ、ツリガネタケ。
アオキは至るところで見かけ、ハリブキ、コシアブラなども。
先程の道標から先はブナ林が続く。旧道は急坂かつ苔の着いた露岩が続くので下山には使うのは微妙かなあと通過時に感じた。視界が少し開けたところでちょうど60分でだいぶゆっくりなペースな気がする。
新道と合流、山頂はすぐそこ。左側は切れ堕ちた崖で一部崩れている。
標柱、2等三角点、方位盤のあるシンプルな山頂。日差しが弱く風がない事も相まってふわふわした虫が大量に舞っていた。まとわりつかないのが救い。なかにはブヨも混ざっていて気が抜けない。
あれだけ車があって山頂にいたのは1名で後から来る人もおらず…つまり9割が山菜取りだったわけだ。
①東側の展望
中央右奥に田代岳。左奥に八甲田連峰が見えるはずだが雲に隠れている。
②西側の展望
手前の残雪の見える辺りが小岳だろう。右奥に雲に隠れた白神岳と向白神岳。左奥の日の差す部分が二ッ森。左端が泊岳。
③南側の展望
④北側の展望
手前の稜線に冷水岳。中央右に顔を出す尾田岳。雲のかかった岩木山。左奥は731mの然ヶ岳(つかりがだけ)かな?
もう少し晴れないか待っていたが駄目そうなので下山開始。
下山は新道へ。イワカガミ、謎の実?花?、ヤマツツジなどが綺麗。タムシバかコブシのような花もあったが撮ったアングルでは判別できず。
新道から見た藤里駒ヶ岳の東側は今回一番の景色だった。
新道は広く歩きやすいものの、急な木段・まだ雪の多く残る箇所もある。登りで満足過ぎるほど草花は見たので黙々と下って行く。
12時30分下山終了、今回は約2時間50分の山行となった。
3時間ほどで白神山地の空気を楽しめる良い山だ。ややアクセスに難があるものの、道中の岳岱自然観察教育林や白神山地世界遺産センター藤里館に立寄る事でより魅力を引き出す事ができるだろう。帰りにその2箇所へ寄ったのだが長尺になりつつあるので別の投稿でまとめたいと思う。
※
斎藤建材第三採石場までは普通の道なのだが、閉鎖ゲートから先の県道西目屋二ツ井線~黒石林道、画像に示した区間は狭隘であったり先の見えないヘアピンカーブが多い。カーブミラーやすれ違い可能な路肩は多くあるものの35分程かかるのでなかなか神経を使う。